勘蔵が亡くなってからというもの、如月家に生活苦が襲った。以前から貧しかったとはいうもの、農家であった為、食べ物には困らずなんとか生活できていた。ところが、大黒柱を失い、田畑を維持することができずにいた。タイはなんとか勘蔵が守ってきた田畑を守り抜きたいと思い、朝から夜遅くまで働く毎日だった。竜次も仕事を手伝ってはいたものの、やはり勘蔵の力を埋めることは出来なかったのだ。まだ、竜次や竜次の弟たちは食べ盛りで、タイは子供達の腹をできるだけ満たしてやりたいと必死で働いていた。
勘蔵の四十九日法要がすんだ後、タイは決断する。勘蔵の残した田畑を売ることを決めたのだ。守り抜きたい唯一勘蔵が残してくれた大切な田畑ではあったが、子供たちの腹をすかせた姿を見たとき、タイは辛かった。そして、タイは田畑を売った。しかし、田畑を売ったお金はいつまでもあるはずもなく、タイは着物や洋服の直しを内職で行いながら、細々と生活する日々が続いた。当時、女性が働く場所はほとんどなかった。女性を雇う会社も無ければ、女性が活躍する職種さえなかった時代。その為、タイが家族を支えるには、ただ耐えることしかできなかったのだ。
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