僕の母、小百合は兵庫県神戸市に室井清十郎、里美の間に3人姉妹の次女として生まれる。母の実家は貿易会社を営んでおり、一言でいえばお嬢様育ちだった。幼少時代より、バレイ、琴、茶道、生花、ピアノなど様々な習い事をしていたようだ。清十郎と里美は仕事の関係で海外に出かけることが多かった。その為、家事は家政婦が全てやっていた。小百合は小学校、中学、高校と地元の名門私立大学付属の学校に通う。その後、エスカレートで付属短大へ進む。小百合自身、そんな箱入り育ちへの反発か、短大卒業後は親元を離れたいという欲求があったようだ。
小百合は短大卒業後、見合いを繰り返す。両親の強制的な見合いだった。小百合の両親は名家の御曹司と結婚させたかったようだ。そのたびに小百合は見合いをぶち壊すことに苦慮した。見合いの席での暴言や、男まさりな態度をとるなどして見合い相手のおぼっちゃま達をノックアウトする。その後、小百合は38回の見合いをすることになる。38回目の見合いを無事、完勝した小百合は両親に告げる。
「今までは、おとうちゃん、おかあちゃんの言うこと聞いてきたけど、それじゃあアカン思うねん!」
「自立せなあかんねん!」
「許して・・・」
38回も縁談を組み、清十郎はあきれるを通り越して失望の極みだった。強張った表情で、重い口を開き清十郎は小百合に言った。
「勝手にせい!そのかわり援助はせぃへんからな!!!」
それからまもなく、小百合は岐阜県井ノ口市内の銀行に就職する事となる。
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