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斎藤芳盛
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いつの頃かは覚えていないが、小学生だったと思う。なにを思ったか、父親がプロボクシングの試合に連れてってくれた事があった。世界タイトルマッチのような華やかな舞台ではない。3回戦から10回戦までの無名のボクサーたちの試合だ。試合のゴングが鳴る直前まで「ピーン」とした緊張感があたりを包む。ゴングが鳴った瞬間、対戦両者を見えない何かで繋ぐ。無名のボクサーたちの試合は、テクニックや間合いよりも、どれだけキモチが強いかという勝負になってくる。パンチを打たれて、パンチを打ち返せるか?肉体的にも精神的にも限界のなかの終盤に勝負が決まることが多い。打たれても、打たれても前へ進みパンチを放つ選手たち。その姿を父親は見せたかったに違いない。

父親の僕への教育は単純明快。『男は強くあれ!!』。僕に言う言葉のほとんどこれだけのような気がする。しかし僕は、周囲からガリ吉と呼ばれ、強く男らしい男とは限りなく遠い存在だった。この言葉を聞くたびに、僕の心は痛んだ。親父の教育行為、それは鉄拳制裁に始まり、鉄拳制裁に終わる。言葉よりも先に父親のマッチョな体から繰り出される、マイク・タイソン級のパンチが飛んでくる。一度、気を失いかけたこともあった・・・。パンチを受けるたび悪いことをしてるのだと、頭で考えるよりも先に体の痛みで感じることができたのだ。しかし、父親は口やかましい事は何も言わない。一度僕を殴ったら、その事ことについては引きずらず、いつもの父親に戻る。『勉強をしろ!』だとか、『こうしろ!』ということは父の口から聞いたことがない。父親の言うことは常に『男は強くあれ!!』の一言なのだ。不器用な父親の性格から、息子への伝達はコブシに込められるのかもしれない。
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