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斎藤芳盛
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僕の住んでいるところは、井ノ口市の中心部から少し離れたところだ。あたりには、住宅と学校、公園、ちょっとした雑貨屋さん、田畑、狭い道が織り交ざったような町だ。僕は住んでいるこの場所がすごく好きだ。老人が多い地域で、おじいちゃん、おばあちゃんの起床時間は平均、早朝4時半。5時になれば「おはようございます!」と、静かな朝を騒がしくさせる。6時になれば、電柱の周りに近所中のおばあちゃんが集結する。朝の情報交換の場となっているのであろう。町内の情報を誰よりも知っているのは地域のおばあちゃんなのだ。町内は狭い路地が入り組んでいた。小学生の頃は路地隅のスペースにダンボールで秘密基地をつくって友達とよく遊んだものだ。小学生は町内中を走り回って疲れを知らないくらいに動きまわる。

小学生の社交場となっていたのが、福居屋という駄菓子屋さんだった。母親から100円をもらったら、超特急で福居屋へ直行する。福居屋に着くと友達がいる。時には恐い上級生などもいて、上級生との付き合い方も駄菓子屋の一角で学ぶ事ができた。そして、100円の使いみちは悩んだ。『50円の大きいお菓子を買ったら、あとの50円で10円のお菓子を5つ買おうかな?でも、前から欲しかったおもちゃが100円。どうしよう??お菓子が買えなくなる』などと、お金の使い方を考える勉強にもなった。福居屋には、おじさんと、おばさんがいた。

「おじさん!おばさん!おる?!」

と店に入るなり大声で呼ぶ子供の声がこだました。福居屋は自宅と店が一緒になっていた。半畳くらいの幅の出入り口から「ハイハイ!」とやさしく笑みを浮かべて、おじさん、おばさんが店の方にやってくる。時には、子供達が自宅の方へ上がりこんで飲み物やお菓子をご馳走になった。今でも、思い出すと懐かしく思う。というのも、おじさん、おばさんは高齢になられ、子供さんのいる所へ引っ越してしまい、今、福居屋はなくなってしまったからだ。

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